イベント報告【外国人のための防災教室】

外国人のための防災教室

外国人住民が一般市民と同じように災害に対応できることを目指して、「外国人のための防災教室」を平成29年6月25日にはっちで開催しました。

当日は、防災に関する知識を学ぶ「防災講座」、実際に体験し防災を学ぶ「防災訓練」の2部構成でイベントを行いました。

 

今回参加してくれたのは、中国・ベトナム・アメリカ・日本国籍合わせて13名。まず始めにシアター2にて、八戸市市民防災部 防災危機管理課職員の杉浦さんを講師に、地震や津波・火事に関する防災講座を行いました。

 

まずは「地震」についての説明。
日本は世界でも4番目に地震が多い国と言われていますが、面積で考えると、他の国よりも非常に高い確率で地震が発生しています。
常日頃起こる地震ですが、参加者は最初に、地震が起きたらやることの基本を学びました。
また、過去に起こった地震で亡くなった犠牲者のほとんどは、家具などの落下や転倒により挟まれたのが原因だそうです。それらを未然に防ぐための対策は以下のとおりです。
・家具などは壁や柱に固定する
・引き出しにはストッパーなどを取り付ける
・出入口付近に家具などをおかない
・倒れそうな家具の近くで寝ない

 

次は、「津波」についての説明です。
東日本大震災時の津波の被害状況についての写真を見ながら、津波の恐ろしさを再認識し、津波について以下のことを確認しました。
・津波は、地震が起きたら必ず来る
・海岸近くにいて揺れを感じたら、すぐに高いところに避難する
・津波は何回も来るので油断して海岸には絶対に近づかない

 

また、レベル2の津波(1000年に1度くらいしか起きないが、とてもひどい被害をもたらすレベルの津波)を想定したシミュレーションをしました。
津波はなんと、100メートルを10秒の速度でやってきます。
皆さん、100メートルを10秒以内で走れますか?
世界記録保持者のランナー以外は早めに避難しなければ津波に飲み込まれてしまいますよ!

防災講座の最後は、「火災」についてです。実際に参加者に119番通報を体験してもらいました。日本語で119番通報の訓練をしましたが、消防署では簡単な英語であれば聞き取れるとのことでした。
もし火事が発生した現場にいたら、以下のことに気をつけましょう。
・煙を吸い込まないようにハンカチやタオルで口と鼻を覆う
・できるだけ姿勢を低くする
・階段を下りるときは、這ったまま後ろ向きに下りる
・前が見えないときは、壁伝いに避難する
逃げる際に最低限必要なものを1つのバックに入れて準備しておきましょう。
【準備しておくべきもの】
・ID
・パスポート
・保険証
・お金
・3日分くらいの食べ物
・水
・電話
・タオル
・ライト
・ビニール袋
・古新聞
・防災グッズ → 詳しい内容はこちら

ここからは防災訓練に入ります。

八戸消防署の方を講師に招き、まずは身近なもので救急処置を行う応急救護講習を行いました。今回はストッキングを使った止血方法、レジ袋を使った腕固定法を学びました。私たちの身近にあるものが、人を助けるための道具として活躍してくれるなんて驚きでした。

 

さて、どれどれ~。こうかな。

 

へえ~なるほど。こうなるのか!

 

次に番町スクエアにて、消火訓練を行いました。訓練用の水消火器を使い、火に見立てた目標物に向かって水を噴射させます。みなさんお上手!

 

さて、どちらが早く火を消せるか勝負です!

 

いよいよ起震車体験!参加者の中には、起震車を体験してみたくて参加した、という方もいらっしゃいました。この起震車では、関東大震災、阪神淡路大震災、新潟中越地震などといった過去の地震が体験できます。もちろん、6年前に起きた東日本大震災も体験することができました。

 

待機中、何だかどきどきします。
揺れるとこんな感じになります。

 

東日本大震災の揺れを体験する参加者たち…。表示されている震度計は7…!見た目以上にかなり揺れています。

揺れが始まったら身動きがとれないからこそ、緊急地震速報などを利用し危険を回避することが大事だと、身を持って学んでいました。地震災害が起きた際に、今回の体験をぜひ活かしてほしいですね!

 

「千年に一度の災害に油断するな、明日が千年に一度の日かもしれないのだから」という言葉があるように、日頃から災害に対する準備が大切だと感じた今回のイベント。参加者の皆さん1人ひとりが「防災」というものを深く考えることができた一日だったのではないでしょうか。
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今日の座学や体験で学んだことをこれからの生活に役立て、安全・安心で楽しい八戸生活ができることを願っています。

「外国人のための防災教室」に参加してくださった外国人&講師の皆さん、本当にありがとうございました!

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